尻から血が出て人生変わった。

学なし職なしバツイチアラサー、つれづれ人生奇譚。

「また切れ痔か」と思ったら

相変わらずどこにも痛みはないのだが、下血の頻度は増すばかりだった。

変わったことといえば、下痢状の便しか出なくなったこと。

そして、時折ゼリーのような血液の塊が排出されるようになったことである。

 

さすがに初めての経験だった。

症状について調べると、痔や潰瘍性大腸炎でよく起こる症状とのことだった。

 

  • お尻をふいたときにペーパーに血のようなものがつく

  • 腹痛を伴わない

といった場合には、一旦様子を見てもよいとあった。

 

しかし、

  • ゼリー状の血の塊が何度も出る場合

  • 腹痛、下痢を伴う場合

には、速やかに病院を受診するようにともあった。

 

私は迷った。

どうせまた、いつものように痔と診断されるだけだろうと。

 

だが、念のため肛門内科を受診することにした。

何もなければそれでいいんだもの。

そう思っていたのに。

すべての始まり~鮮血に染まる便器~

ある日の仕事終わり。

職場のトイレで用を足し、振り返った時のことだった。

 

便器が血の海と化していた。

 

元来、未病に悩まされてきた人生だった。

大きな病気には殆ど罹ったことはないが、原因不明の体調不良になりやすかった。

特に消化器や泌尿器が弱く、小さい頃から便秘や下痢を繰り返してきた。

 

成人してからは、ガス型の過敏性腸症候群だと診断された。

立っていられないほどの激しい腹痛で、通勤途中に救急搬送されたこともある。

腸のレントゲンは、真っ白な影で埋め尽くされていた。

白い影の正体は、すべてガスと便だった。

 

そんな私にとって、下腹部の張りや切れ痔、イボ痔は日常茶飯事だった。

褒められたことではないが、血便や血尿も見慣れたものである。

 

しかし、だ。その時ばかりは違和感を覚えた。

さすがに便器が真っ赤に染まるほどの出血は未経験だった。

 

しかも、それだけの出血量にも関わらず、少しの痛みも無いのだ。

おなかも、肛門も、全く痛くなかった。